アメリカでは無収入の学生も確定申告をしなければいけません。日本のように会社が従業員の分をまとめて手続きすることもなく、個人でやらなければいけません。今回は僕が利用した「Sprintax」というサービスについて手続方法をまとめます。
手続きに必要な書類
I-20
大学名や学部、住所、連絡先などの情報を入力するのに必要になります。
W-2
自分の収入や税金、また雇用主の情報が書かれています。大学内のアルバイトやOPTでも雇用主から入手する必要があります。
手続きの流れ
SprintaxのWebサイトにアクセスします。そして、アカウントを持っている人は右上からログインし、持っていない人は下の「Create an account」でアカウントを発行します。
ログイン後、Tax Yearを選択して「COMPLETE YOUR TAX RETURN」をクリックします。※手続完了後に取り直した画面なので少し違うかもしれません。
Residency status
- Have you been a US citizen, by birth or naturalization, on the last day of 2017?
ー 2017年までにアメリカの市民であったか? - Have you ever been a green card holder?
ー グリーンカードを持っていたことがあるか? - Have you ever applied for US citizenship/lawful residence?
ー 市民権を申請したことがあるか?
Visiting the US
- Were you in the US during the 2017 tax year?
ー 2017年にアメリカにいたか? - When was your first visit in the US?
ー アメリカに最初に来たのはいつか? - Are you still in the US?
ー 今もアメリカにいるか?
下のVisaの欄には最初にアメリカに来たときの日付とアメリカを出る予定の日付を入力しました。僕の場合は2016年8月25日にアメリカに来て、2017年の5月21日に一度日本に帰りました。そして2017年8月25日に再びアメリカに来たところです。アメリカを出る日付は未定なのでI-20が失効する2018年5月31日を入力しました。
Entered US: 08/25/16 → Leave US: 05/21/17
Entered US: 08/25/17 → Leave US: 05/31/18
Visa Details
- Visa type: ビザのタイプ
- Visa issue date: ビザの発行日付
- Visa expiry date: ビザの失効日付
- Date you first entered the US: 初めてアメリカに来た日付
- Approximately date you permanently left/intend to permanently leave the US: アメリカを出国する予定日
- Country of Citizenship: 市民権のある国
- Country of Residence before you entered the US: アメリカに来る前の居住国
- Have you changed your visa during 2017?: 2017年中にビザのステータスを変更したか
Getting to know you
About you
- First name: 苗字
- Middle name: ミドルネーム
- Last name: 名前
- Occupation: 職業
- Date of Birth: 誕生日
- Did you have US income (wage, scholarships, or other payments) in 2017?
ー 2017年にアメリカで収入があったか - Did you have a US tax identification number (ITIN/SSN)?
ー アメリカのタックスナンバーを持っているか - Are you a full time student or scholar in a US educational institution?
ー アメリカの教育機関の学生または学者であるか - Are you a degree candidate in a US educational institution?
ー アメリカの教育機関で学位取得のために在籍しているか - Are you OPT/CPT program participant?
ー OPT/CPTプログラムに参加しているか
ここにはアメリカと日本の住所・電話番号を記入します。「Passport」にはパスポートの旅券番号、「Passport Issued by」には発行国を記入します。
Marital Status
- Can you be claimed as a dependent on someone else's US tax return?
ー 他の人の確定申告をするのか - Were you married on the last day of 2017?
ー 2017年中に結婚したか
ここでは収入証明のタイプを記入します。学生の場合はW-2 formになります。
ここでは緑の枠だけ記入します。自分のW-2 formに書いてある情報をもとに記入します。
- b: Employer identification number (EIN)
- c: Employer's name, address, and ZIP code
ー 勤務先の住所 - 1: Wages, tips, other compensation
ー 給料の総額 ※16と同じ金額を記入します - 2: Federal income tax withhold
ー 源泉徴収税 - 15: State/Employer's state ID number
ー 勤務先のある州と雇用主のState IDを記入します - 16 State wages, tips, etc.
ー 給料の総額
Income not reported elsewhere
Did you receive any other income from US sources not reported on the W-2, 1042-S or any other payment doucments which you have not entered yet?
ー W-2フォームに書かれている以外で収入を得ていないか
Other taxes and payments
- Did you make any estimated tax payments during 2017 which you paid directly to IRS yourself and not through your employer?
ー 2017年に雇用主を介せず、IRSに直接支払った税金があったか - Did you make any estimated tax payments to the state tax office during 2017 which you paid yourself and not through your employer?
ー 2017年に雇用主を介せず、State tax officeに直接支払った税金があったか - Did you file any forms requesting an extension to file a tax return with IRS?
ー IRSへの納税の延長を求める書類を提出したか - Did you file any forms requesting an extension to file a State Tax Office?
ー State Tax Officeへの納税の延長を求める書類を提出したか
Previous US tax returns
- Have you filed a US federal tax return before?
ー 今までにアメリカの連邦税の申告書を提出したことがあるか - Have you filed a state tax return before?
ー 今までにアメリカの州税の申告書を提出したことがあるか
Moving expenses
Did you relocate in 2017 due to a change in job location?
ー 2017年に職場の変更で引越しをしたか
このセクションは必須ではない(questions in this section are not mandatory)ので、空欄で大丈夫です。
Health Insurance paymentsも記入の必要はありませんが、1095-A formを持っていなければNoにチェックをしても大丈夫です。
About your College/Program
ここで記入することはDS-2019かI-20に書いてある情報を元にします。
University/college details
- State: 州
- Name of University: 大学名
- Address: 住所
- City: 市名
- Zip code: 郵便番号
- Phone: 電話番号
Program director details
- State: 州
- Name of advisor: アドバイザー名
- Address: 住所
- City: 市名
- Zip code: 郵便番号
- Phone: 電話番号
Course/program details
- Name of University: 大学名
- Course type: 住所
- Major: 専攻
ここで今まで入力した情報が一旦送信されます。
State Taxes
Living in the US
ここでは2016年と2017年に住んでいた住居に関する情報を入力します。
- Entry date: 住居に入った日
- Exit date: 住居を出た日
- State: 州
- Type of accommodation: 住居のタイプ(大学の寮、アパートなど)
- Type of visit: 滞在の種類(一時的、永続的など)
Have you lived and/or worked in NY in 2016?
ー 2016年にニューヨークに住んでいたもしくは働いていたか?
住んでいた、働いていれば2016年に関する情報も入力します。
Enter the date when you left or intend to leave New York State permanently
ー ニューヨーク州を出る予定日
New York
Residency determination
- Is your domicile in New York State?
ー 本籍地はニューヨーク州か - Do you maintain a permanent place of above in New York State?
ー ニューヨーク州における上記の本籍地を維持するつもりか?
収入が少ない場合はState tax returnをする必要がないと表示されます(you don't need to file a State tax return)。
Full-year resident questions
- Enter the school district you lived while in New York State: 学校のある地域名
- Enter your county of residence while you lived in New York State: 住んでいるcounty(群)
- Your address while lived in NY: 住所を記入します。
- When you lived in NY State you: 該当する選択肢を選びます。
- Did you purchase property...: 住居を購入したかなので、2つともNoを選択します。
通常この画面は出てきませんが、左のリストから戻って入力済みの情報を変更した場合に出てきます。その場合はOKを選択します。
ここからは注意が必要です。留学生は週に20時間しか働けないのでTax Returnで返ってくるお金よりも申請費用の方が高くなります。僕の場合はTax Returnが10ドルに対して申請費用が35.95ドルです。書類の郵送料金もかかりますので申請するメリットはありません。画面の選択肢の「I do not want to file my 1040NR/1040NR-EZ tax return and have my refund issued to me」をクリックします。
※2017年分の申請(2018年に手続き)では、収入が4,050ドル以下の人は画面のように申請をしなくてもよい選択肢がありますが、2018年分(2019年に手続き)からは収入に限らず申請しなければいけない法案が可決しそうとのことです。つまり、Tax Returnが少なくても申請費用と郵送費用を払わなければいけません。
僕の場合は収入が1,489ドルであり、免除に当たる4,050ドル以下なのでTaxの支払い義務はありません。Refundが10ドルとなっていますが、手続きをしなくて良いのでしません。
Yesをクリックすれば手続き完了です。
大学からクーポンコードを教えてもらっている人は赤枠のところに入力します。それ以外の人はNextで次のページに行き、支払方法を選択します。
支払完了画面です。
この画面ですべての手続きが完了です。
8843 Formがダウンロードできます。Formの最初のページには郵送先の住所やこの後の手続き方法が書いてあります。Formを印刷して該当箇所にサインと日付を記入して、書かれてある郵送先の住所に送付します。
この8843 Formというのはアメリカで収入がなかったことの証明なので、収入がない学生も提出する必要があります。2017年分に関しては人的控除(Personal Exemption)4,050ドルと標準控除(Standard Deduction)6,350ドルの合計額である10,400ドル以下の人はタックスリターンをする必要がありません。僕の場合、収入は1,000ドルちょっとでしたので8843 Formだけを郵送するだけでした。
追記 2019年提出に関して(2018年分のタックスリターン)
2018年提出(2017年分)はPersonal Exemptionが4,050ドル、Standard Deductionが6,350ドルでしたが、2019年提出(2018年分)からはPersonal Exemptionが廃止されてStandard Deductionが12,000ドルになります。そのため、収入が12,000ドル以下の人はタックスリターンが免除されます。
個人の場合は控除額の合計が10,400ドル→12,000ドルに変更になりますので、申告が免除される人が増えることになりますが、4人家族の場合は28,900ドル→24,000ドルに変更されますので、申告が必要な人が増えることになります。
F-1ビザの学生について
F-1ビザの学生はSocial Securityの支払義務がないため、FICAに申請することで全額返ってきます。僕は2017年は2,000ドルほどソーシャルを払っていたので臨時収入になりそうです。
コメントを残す