2017年のFall Semesterでは、約50社のインターンに申し込み、その中の1社からオファーをもらうことができました。僕の場合は大学のカリキュラムとしてのインターンではなく、卒業後にFull timeで働くためのインターンです。今回の記事では、アメリカでのインターンについての僕の考えをまとめます。
1. 最も重要なのはNetworking
LendEDUが2017年に発表した調査によると、アメリカでインターンシップをした学生1,497人のうち、家族のコネを使ったのが43%、自分でオランインで申し込んだのが31%、大学のキャリアセンターが21%、課外活動を通じて見つけたのが5%という結果が出たそうです。僕が知っている範囲では、アメリカ人や留学生に限らずコネを利用していたので、Networkingはインターンをする上で最重要事項だと思っています。
なぜコネが必要なのか
アメリカの会社が求人をインターネットに出すと、世界中からApplicationが届きます。アメリカに住んでいる人でも性格や考え方は全然違いますので、レジュメや面接だけではその人のことを理解するのは非常に難しいです。しかし、教授や家族、友達がすでに働いているまたは関係のある会社であれば、彼らの印象からあなたのことを想像することはできます。ですので、リスクを回避する意味でもコネは非常に有効なのです。
どこでコネを作るのか
留学生である日本人がアメリカでコネを作るのは非常に難しいですが、僕の経験では3つの方法が考えられます。前提として僕はアメリカのコネについてはかなり薄っぺらい印象を持っています。「今あなたと話せたことで、初対面ですけどコネができました。それでは、あなたの上司に僕を紹介してください。え、紹介できないですか?それじゃあ、さようなら。」勇気を持ってどんどん多くの人にアプローチしていくのが大切です。
教授
僕のいるMaster's programは学生の人数はかなり少ないので、教授のほとんどは学生の名前や出身、やりたい仕事などを把握しています。僕は授業が終わったあとは30分〜1時間くらい教授と話したり、オフィスアワーを利用して教授との関係を築きました。実際はコネ作りがメインではなく、授業のわからなかったことろを聞いていただけです。結果として良好な関係は築けましたが、彼らは会社や団体に特別なコネを持っていなかったので、おすすめの会社を紹介されただけで終わりました。
卒業生
アメリカの大学には卒業生のメールアドレス、電話番号、働いている会社が載っているリストがありますので、それを利用することも大事です。自分と同じ大学の出身であれば、ただ連絡してきた他の大学の学生よりも返信してくれる可能性は高いと思います。
キャリアイベント
大学が主催するキャリアイベントでは卒業生と直接会話をすることができるので最も効果的なチャンスです。名刺(business card)をもらい、LinkedInでつながってもらえませんか?と聞くことが重要です。
Adidas本社でインターンをしたいと思ったので、働きたかった部署と人事部の「Vice president」「Director」「Manager」に絞ってショットガンアプローチを試みました。20人くらいにConnect付きのメッセージを送って2人からAcceptしてもらい、その中の1人から人事に僕のレジュメとカバーレターを直接送って頂くことができました。期限が少し過ぎていたので、結果はダメでしたが、また何かあったら連絡くださいと言ってもらえたので、この手法も良いかもと思っています。
2. Applicationの方法は3つ
教授、友達、卒業生に頼み込む
僕がいるCortlalndの周辺には3つの大学があり、卒業生を含めた日本人会がまれにあります。僕の友達の一人はそこで知り合った人からインターンを紹介してもらいました。その人は別のインターンでもすでに働いている日本人に連絡をして紹介してもらったそうです。また、別の留学生の友達は教授経由で付き合いのある研究機関からオファーをもらいました。
僕の場合は教授は特にコネがなく、卒業生にも連絡しましたがインターンに関する単純なアドバイスだけで何か仕事を紹介してくれることはありませんでした。
留学生という圧倒的に弱い立場
ビザと英語という2つの大きな壁があるので、わざわざ留学生をインターンに紹介する必要はないと僕は思っています。留学生の多い有名な大学であれば留学生を積極的に採用する会社や団体があるかもしれません。留学生オフィスの話では、留学生は自分の大学のある街でしかインターンははできないそうです。その街であれば自分の大学は有名なので、採用してもらえる確率は他の街よりも高いからです。僕の大学ではインターンは卒業要件に入っていますが、インターンのオファーをもらえなかった留学生は替わりのコースがあるので、ここからも留学生がインターンをするのは難しいことがわかります。
メールと電話でしつこくアプローチする
紹介してもらった卒業生や知り合いにの連絡先がわかっても安心できません。アメリカでは自分宛のメールでも平気で無視することがあります。返信がなければ何度かメールを送ったり、電話をしてみたり、ときには紹介してもらった人から連絡してもらうのが良いこともあります。
LinkedInでキーマンにメッセージを送る
オンラインから申し込む
僕はこの方法でオファーをもらいましたが、オンラインで申し込むのは効率的に見えて実は非効果的です。自分宛のメールも見逃してしまうアメリカでは、システムから自動で送られてきたapplicationの通知はまず見ないと思います。ほとんどの会社はコネでインターンを採用するので、オンラインのApplicationはかなり難しい方法です。留学生はコネを使うのが難しいので、この手段しかありませんが、100社にApplyして1社返信があるくらいの確率みたいです。そこに面接を突破する確率も入ってくるので、オファーまでは険しい道です。
僕が使ったWebサイト2つを紹介します。
Indeed
日本のリクナビに近く、サイト内で仕事の検索や応募ができます。入力した情報に近い内容の仕事を表示する機能もあります。このサイトの良いところは求人数が多いところです。
Internship.com
僕がオファーをもらったのはこのサイトです。このサイトの良いところは「Paid(有給)」と「Unpaid(無給)」、「Full time(フルタイム)」と「Part time(パートタイム)」を選択して検索できることです。Indeedと同じようにInternship.comもサイト内で応募はできますが、僕がApplyした会社は指定のメールアドレスに直接送る形式のApplicationでした。
レジュメとカバーレターについて
僕はレジュメとカバーレターは教授にフィードバックをもらって修正しましたが、正直そこまで力を入れる意味はないと思っています。採用担当者はあまり詳しく見ないので、求めている人に近い内容の経験があればとりあえず電話面接まではいけると思います。そもそもほとんどの場合はオンラインのApplicationは見られないので、応募先の会社名や職種、アピールする経験を会社ごとに少し変更する程度で問題ないと思います。
3. スキル × 日本で自分を売る
日本人留学生がSalesやMarketingなどの言葉を使う仕事をするのは無理だと思います。言語ではなくスキルや経験が必要とされる仕事でないとわざわざ外国人を採用しようと思わないからです。
日本での職歴とMaster's degreeであることは大事
面接では必ず以前どのような仕事をしていたのかと聞かれます。大学院留学している元社会人であれば関連する職歴がありますし、Master's degreeというアメリカでも評価される学位を持っているのでプラスに働きます。しかし、学部留学している日本人のほとんどは必要な経験をしていません。大学のコースとしてインターンをするなら大丈夫だと思いますが、いずれFull timeで採用するためのインターンを考えている会社にとっては必要のない戦力と言えます。
自分のスキルを理解してもらえるポートフォリオは重要
僕の場合はWebsite Developmentという職種に応募しましたが、応募時にメールでこの個人ブログのURLを添付してHTMLとCSSができること、Data Analyticsも少しはできることをアピールしました。結果としてCEOとProject Managerから君のサイトのデザインはいいねと言ってもらえました。授業で提出したリサーチペーパーなどを含めて相手に自分の能力を理解してもらう努力はしないと伝わりません。
日本人であることの最大のメリットをアピールする
日本人は日本語のネイティブスピーカーであり、日本のマーケットを知っています。日本のマーケットとは、どの業界にどの会社があるのかということです。私たちが誰でも知っている会社はアメリカでは誰も知らないことが多いです。また、お辞儀や敬語、名刺交換など、日本のビジネスマナーは世界的にも珍しいです。僕がインターンする予定の会社は日本人はいませんが、日本の会社をクライアントに持っています。僕が採用された理由の一つとして、クライアントとのやり取りが円滑になることが考えられます。
学歴は面接までのフリーパスであり、最後は個の力
最近アメリカ出身の人と話をする機会がありましたが、その人はアメリカの就活では学歴はあまり重視されないと言っていました。学歴よりもその人の経験とスキルが大切であり、結局のところは何ができるのか?とのことでした。確かに学歴があれば書類選考は簡単にパスできますが、面接ではごまかしは効きません。特に技術系の面接では知識や経験を試される質問をされますので、最後は個の力が大切だと思います。
コメントを残す