米国スポーツマネジメントの修士課程で経験したケーススタディー 5選

アメリカの大学院に留学してからは、エッセイよりもケーススタディーの課題が多くなりました。

オリンピックやワールドカップ、プロスポーツなどがケースとして多い印象です。

今回は今まで経験したケーススタディーの内容についてまとめてみます。

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ケーススタディー 5選

1.既存スタジアムの改修プラン

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現存するスタジアムを選んで、改修プランを作ります。「改修箇所」「コスト」「資金調達方法」「収支計画」がポイントとなります。

✱ 改修箇所

「観客席の増設」「プレミアムシートの導入」「女性用トイレの増設」「障害者用エレベーターの設置」「LEDスコアボード/照明の導入」

スタジアムへの来場者情報や地域の住民数、世帯数、男女比、平均年収などの情報から、収益を生む可能性のある箇所を改修します。スコアボードや照明のLED化は消費電力を計算して、どのくらいコストカットできるのかを算出します。

✱ コスト

改修箇所に関して、類似するスタジアムの情報を参考にコストを計算します。このとき、異なるスポーツや他国のスタジアムを参考にすると全然違う金額になる可能性があるので注意が必要です。

✱ 資金調達方法

基本的にはスタジアムのある地域の、民間企業および自治体からの出資となります。企業の収益や利益、業績、知名度から判断して何社からスポンサー契約をするのかを決めます。その企業が過去にスポーツチームのスポンサーになったことがあるのかも重要な要素です。

また、自治体と連携して、「地方債」「売上税」「酒税」「観光税」「ホテル税」などをスタジアム改修費用に適用します。

✱ 収支計画

「チケット売上」「TV収入」「スポンサー収入」「スタジアム命名権」「コンセッション(営業権)」

今後5年間くらいを見越して収支計画を立てます。スタジアム改修で増加が見込まれる観客数やそれによる売上を過去のデータから計算します。基本的にケーススタディーで選択するスタジアムは、収益に問題があることがほとんどです。そのため、収益がプラスになり、根拠のあるデータで補足できれば文句なしです。

 

2.ビーチバレーワールドカップの開催

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2017年にオーストリアのウィーンで開催予定のビーチバレーワールドカップのプランを立てます。「放映権」「スポンサー」「マーケティング」「プロモーション」がポイントとなります。必要に応じてスタジアム建設も視野に入れます。

僕らのグループではソーシャルメディアを利用したマーケティング戦略や周辺の観光施設とのタイアップによるプロモーションもプランに組み込みました。

 

3.イスタンブールを2024年のオリンピック開催地に

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2020年開催地の招致活動に惜しくも敗れたイスタンブールを2024年に再びリベンジするプランを作ります。

2020年用に作成されたイスタンブールの招致活動や報告書をもとに「競技施設」「宿泊施設」「交通」「セキュリティー対策」「エネルギー政策」「政府活動」「収支計画」などの項目を策定します。

 

4.NHLチームの本拠地を移転

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NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)というアイスホッケーチームの移転計画を立てます。

予め5つの候補地が与えられ、そこから選択するタイプの課題でした。詳細情報はお伝えすることができませんので、ご了承ください。

移転先の地域の情報を調べてどこが最適な都市かを決定します。

✱ 移転先の地域情報

  • 住民/世帯:人数、性別、平均年収、スポーツへの支出
  • スポンサー企業:企業数、知名度、収益、業績
  • プロスポーツチーム:MLB、NFL、NHL、NBAなど
  • スタジアム:観客席数、リース費用、コンセッション(営業権)の割合

 

5.CEOの続投または辞任

 

ある国のスポーツ団体の不祥事により、その団体のスポーツは収益面で窮地に立たされました。そこで、当時のCEOを更迭して代理のCEOを迎えることにしました。新しいCEOは既得権益の癒着を無くすため、既存委員会との関係断絶、信頼できるメンバーだけでの会議、また対人関係が得意な人材採用による団体内部の透明化を行い、団体の腐敗を少しずつ解消することに成功しました。

しかし、既存委員会や他のメンバーとの衝突、根も葉もない噂の連続、妻や子供との家族間の問題も発生したため、考えた末でのCEOを辞任することを決心しました。このとき、CEOに採用されてからたった4ヶ月目のことでした。

このままCEOを続投するべきか、または辞任すべきかを選択するケーススタディーです。

続投する場合は、既存委員会との衝突や収益計画、家族問題をどのように対処するのかを説明します。また、辞任する場合は団体に今後どのような影響を及ぼすことが考えられるのかを考察します。

 

ケーススタディーを成功させる秘訣

 

✱ 実現可能性を見極めること

スタジアム新建設や改修、チーム移転でも、まず実現できるかどうかを考えます。そのプランに必要なコストを補填するのに必要な資金がチームやスポンサー、自治体にあるのかどうか、また移転後の収支計画がプラスになる根拠があるのかどうかです。バラ色の計画書をプレゼンしても絵に描いた餅で終わってしまいます。

✱ ハイリスク、ハイリターンは避ける

チーム移転先の近隣地域にすでに同じスポーツリーグのチームがいる場合、スタジアム建設地に観光地を選択する場合は高いリスクが伴います。その地域に観客数の増加や収益面で高い可能性がある場合でも、失敗する可能性が他の候補地より高い場合は一旦引いて考え直します。ケーススタディーでは失敗したで済みますが、実際のビジネスでは失敗したでは済まされません。

✱ データの引用は条件がほとんど同じ場合のみ有効

スタジアム建設や収益計画を立てるとき、ピンポイントでその地域のデータを得ることはかなり難しいです。なぜなら、その地域での同じ規模のデータは1件あるかないかだと思います。そのため、他の地域でのスタジアム建設などの事例を見つけなければいけません。

このとき地域情報(特に住民数、平均年収、民間企業と自治体の収益)とチーム情報(収益)に注意する必要があります。MLBで収益が最下位のマイアミ・マーリンズがトップのニューヨーク・ヤンキースのスタジアムをもとに計画を立てたりはしないですよね。チームの収益、自治体の収益、民間企業の収益、住民の平均年収も全然違いますよね。

✱ 自分ならではのオリジナリティを入れること

あくまで学生の立てたプランですので、突っ込みどころが多いのは仕方ありません。そんな中でも、スタジアムはウィーンに隣接しているので、音楽や芸術を取り入れた展示をスタジアム内で行うプランや、ワールドカップの決勝戦のチケットが無料で当選する企画をソーシャルメディアで拡散するプロモーション戦略など、面白みがあるアイデアは評価されます。

過去の事例だけを適用すれば、失敗は少ないかもしれないですが、改革という面で見れば僅かなものです。チームの収益構造を変えるにはドラスティックな戦略が必要となりますので、誰も着目していないようなアイデアを見つける訓練をするのもケーススタディーの良さではないかと思います。※ハイリスクを避けることとは矛盾しています

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